- 20:16 2001/11/03 |
東京障害者職業センターのご厚意により、転載させていただきました。なお、プリントアウトしてご利用いただいても差し支えありません。 画像バージョンは こちら
LD (学習障害) の人の雇用ガイド
"必要なのは周囲の理解!"
日本障害者雇用促進協会
東京障害者職業センター
東京障害者職業センター多摩支所
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【学習障害とは】
学習障害=LD(Learning Disability)とは、従来教育現場で使われている用語で、読んだり、書いたり、計算や、推論する能力の中の特定のものの習得とその活用に著しい困難を示す状態をいいます。しかし、当然学校現場にとどまらず、日常生活や職業生活においても、物事を処理する上で一定の困難を有している場合が少なくありません。
その原因はまだはっきりしていませんが、中枢神経系の何らかの機能障害によるものとされ、目や耳といった感覚器官の障害、又は親の躾といった生活環境による問題ではないとされています。
【学習障害者の特徴】
図のように、学習障害は、知的障害に比べIQは決して低くはありませんが、知的障害と同じ様な、読み、書き、計算の障害があり、また両者に共通しているのは、能力全般のアンバランスさが特徴的です。●また、読み書き計算の他にも、次のような特徴のいくつかが見られることもあります。
(1) 指先が不器用で、さまざまな道具類を使うことが苦手。
(2) 物事を順序だてて整理していくことが苦手で、片付作業などが不得意。
(3) 注意力が途切れやすく、説明を聞き逃したり、ミスが多い。
(4) 場面に合わせて、自分の衝動や興味などをコントロールすることが苦手。個人の問題として挙げられるこのような課題は、集団生活においては社会性獲得のつまずきとなり、対人関係のまずさへと発展することが少なくありません。
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以上の点を踏まえて、学習障害者には次のような指導の視点が必要です。
【学習障害者に対する指導の視点】
【協力 : 明星大学 梅永研究室】
- 仕事ができないのではなく、仕事のさせ方、指導の仕方を工夫してみる。
- 本人を取り巻く職場の人間関係に配慮する。
- 職場での存在価値を肯定する。
【職場での指導のポイント】
学習障害者に対して、具体的にどのような対応をすればいいのでしょうか。以下にそのいくつかを示します。(1) 職務遂行上の配慮
- 仕事内容の選定は、
- まず、いくつかの仕事を経験させてみる
- 本人が興味・関心を示す仕事から選ぶ
- 仕事の評価について
- 実際の職場で評価する
- どこができ、どこでつまずいているのかをつきとめる
- できない場合、指導の仕方や代償手段を考える
※ 図やサンプル等の活用。(マッチングさせることでミスを防ぐ)
計算や巧緻性等を改善する為に手近なもので自助具を検討してみる実際の指導にあたっては
- まず、仕事内容を行程毎に分類してみる
- できる作業から与え、必ず確認したことを本人に伝える
※ 慣れない間は、一度に多くの指示を出さない
本人の理解に応じて、指示を使い分ける(口頭指示、例示、介助)(2) 職業生活に関連した配慮
- 職場での対人関係の在り方を学ばせる
- 社会人としての振る舞い方をごく初歩的なところから教える
- 周囲の人の理解が大切(本人の障害特性等を正しく伝え理解を得る)
- 仕事以外の事でも相談できる人(キーパーソン)を特定しておく
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東京障害者職業センターでは、
障害者の雇用管理等について、不安や戸惑いのある事業主の方に、雇い入れからその後の職業定着に至るまでの雇用管理を容易にするために様々な支援を行っています。内容によっては、障害者職業センターに登録している協力専門家を交えて課題の解決に向けた援助をいたします。
Q 採用する前に実習を考えたいのだけれど?Q 障害特性や疾病への配慮事項は?
Q 職場配置や配置転換は?
Q 作業工程や手順の改善は?
Q 職場内の不適応に対する改善は?
Q 通勤面での配慮は?
Q 家庭や関係機関との関わり方は?
● この様なことでお困りでしたらご連絡下さい。費用は無料です。 ●
実施に際しては、障害者職業センターのカウンセラーが訪問させていただき、事業主の方のニーズをお聞きしながら、事業主支援計画を作成し、具体的な支援方法、支援機関等を提案させていただきます。
私たちにご相談下さい !
きっとお役に立つことがあると思います !!
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